“Can't Stop”
アルバム発売からだいぶたちましたね。
感想を書きたい、と思いつつ、今回はいろいろ思うところがあってなかなか記事がまとまらず、書いてはやめ、をくりかえしてました。
今回のアルバムは、分岐点、みたいなものを感じる作品でした。本人たちも、これまでのCNBLUEからの転換や脱皮みたいなものを試みた、ということですが。
音楽的にもこれまでと大きく異なる要素を持ち込んでいたり。
一方で、よく耳をそばだてて聴いているとなじんだ表情もそこにあったり。
今回のアルバムを何度も何度も聴きながら、この曲がどうだとか音がどうだとかいろんなことを思いつつ、一番考えていたのは、CNBLUEらしさとはなんだろう、ということでした。
今回のアルバム、自分の最初聴いたときの正直な感想は、曲は良い曲ばかりで好きだけれど、なんというか、演奏しているCNBLUE一人一人の顔が見えてこないサウンドだな、ってことでした。
それを感じる一番大きな原因は、バンドサウンドがブラスやストリングスに埋もれていること。特に、CNBLUEサウンドの感情表現の部分を担当していて、ヨンファのボーカルとともにバッキングで重要な役割を果たしていたジョンヒョンのギターが後ろに下がっていて、聴こえてこない。ブラスやストリングスが代わって感情表現をリードしている。
そこに大きな違和感を感じました。
モヤモヤしながら考え込んで、ネットに上がる記事やいろんな方のご意見感想などもいろいろ読んでみたりしていました。同様の感想を持たれた方も思いのほかいらっしゃって、曲の制作過程だったり、音盤の中での楽器の音色やバランスを決定するミキシングの問題を指摘するご意見があったり。
でも一方で、本当にいい、大好きだとおっしゃっている方もたくさんいて。
とても気持ちよく今回のアルバムを受け止めて愛している人もたくさんいる(というかその方がむしろ多い。)
まったく正反対の感想をみつめながら、同じものを聴いても感じ方は本当に人それぞれなんだな、という当たり前のことをあらためて実感したのとともに、まだCNBLUE自身が音にしてもバンドとしての在り方にしても「これが自分たちだ」というものがくっきりと表現できていないんだな、と思いました。
なので、見える姿が人によって大きく異なる、ということが起きている気がする。悪いことだとは思っていません。道の途中なんだと思う。
バンド人生も始まったばかり。
今、CNBLUEは、いつか自分たちの色を見つけたいと探している最中。
バンドとしてもまだ若く、新人の時期が終わって長い中堅の時期がスタートした、というところでしょうか。
今回、生みの苦しみを味わってアルバムを出して、このアルバムはまだ混沌としているんじゃないか。もう少し先になってから、今回の仕事の結果が出てくるのだろうと思う。
これからどういうバンドになっていくのかな・・・と、今回は、なんだか抽象的な話になりました。
いつか、CNBLUEのみつけた色を、見せてほしい。
とりあえず、違和感を感じてしまった自分は、必死で彼らの音を耳で探し、聴きとれるようになってきたため、今はあらためてアルバムを味わい直しています。
今後も、大切に聴いていきます。